何気ない事。

今日、本当は今頃貴方と会っている。菜っちから『会いたい』と初めて言ったから。でも、自分からキャンセルした。きっと貴方と会うのが怖かったから。最近信用してない事がばれるのが怖かった。

『今年は一緒に夜桜見れないね』
ホントに伝えたい言葉。貴方と見るのを楽しみにしていた。でも、ワガママはしたくない。凄く我慢してるわけでもない。ただ、一緒に隣で桜を見て『綺麗だね』って同感してくれる人が、貴方ならいいなぁって思うだけ。
新しい仕事についた貴方。塾講師を辞めて何になったんだろう。具体的に話してくれないから解らないんだ。きっと、どちらかが事故にあっても気付かないんだろう。　

『繋がりが透明度を増した』

友人が菜っちと貴方の関係が羨ましいと言った。理由は相手が地元の人だから。『どんな理屈もそっちのけにしたら逢えるから。』それはそうだ。しかし、それは自分の考えだけで相手の考えを無しにした場合。お互いに信じ合えて、深い愛に包まれていれば出来るだろう。菜っちは、友人が羨ましかった。毎日メールしてTELしてちょくちょく逢えて・・。そんな風になりたかった。
しかし、他の友人は菜っちと友人が羨ましい。まだメールも出来ず、見つめるくらいしか出来ない。その時、やっと解った。
『みんな理想になりたくて、人が自分より上に居ればそうなりたいと誰もが想う事』だと。
だから、自分は自分しか出来ない・なれない関係になりたい。2人しか出来ない事。それはささいな事でもそんな関係になりたい。

話は最初に戻って、貴方に『やっぱり今日は会わない。仕事頑張ってください』と送った。2時間後、
『ごめんねいつも。』
たったそれだけのメール？そうだれもが思うかもしれない。菜っちはそのメールを見た瞬間に涙が零れた。
『飾りの無い言葉』
言い訳の言葉もない。そう、思い出した！貴方は『素直すぎる人』だって事を。
ある絵本を本屋で立ち読みして切なくて泣きそうになった事があったらしい。（この絵本は子供向けより大人が読んだ方が心に染みるだろう。）あの時貴方が『人の大切さが凄く心に染みるね』って一言言った。
そんな貴方だった。それを知ってるのに気付かない振りをしてた。だから貴方は言葉を飾らない。そりゃあ、時々綺麗な言葉で言った時もあった。そんな貴方を今以上愛してる。